恥ずかしながら、復活にんにくストーリー
先日、「お宅のにんにくはどうして芽が出ないんですか。」
「スーパーで売られているよそのにんにくは、芽が出ているのに」
という問い合わせがあった。なかなか高度な質問である。
発芽するとにんにくは、だんだん軽くなって最後はスカスカになってしまう。
貯蔵中いかににんにくを発芽させないかが重要なポイント。
収穫から翌年の5月までどれだけ貯期間販売するか。
専門用語で言うと「萌芽抑制技術」ということになる。
にんにく農家は、この貯蔵中の発芽を抑えることに、栽培すること以上に神経を使う
萌芽抑制をすることによって長期でで販売することが可能になるからだ
平成13年までは生育後期の掘り取り一週間前に、ホルモン剤を散布することによって
いとも簡単に、農薬の力で長期間、発芽を抑えることが出来た。
ところが14年からその薬が使えなくなった。
まさにパニック、早く販売しないと芽が出てしまう、出荷販売が夏場8、9月に集中、
当然にんにくはだぶつき、価格は暴落、さあたいへん。
それからだんだん分かってきたことは、にんにくの乾燥具合と貯蔵温度と期間の関係である。
掘り取りごすぐに乾燥させて、乾燥したらすぐに冷蔵庫に入れる、
そして出荷にあわせて冷蔵庫から出庫する。
冷蔵庫からの出庫時期によっては、こんどは熱処理をする。
重要なことは、この乾燥、冷蔵、熱処理のタイミングと、度合いと、バランスの組み合わせだ。
そうすることによって、長期で発芽を抑えて、品質のよいにんにくを提供できる。
毎年天候は違うし、収穫したにんにくの出来が違うからむずかしい。
長年の経験と勘の積み重ねが物を言う。そう簡単にはいかない。
また、これといった物指しがないので、永遠の課題でもある。
農薬で発芽を抑えた時代に比べれば、今はそれに頼ってないので
はるかに安全なのだ。
にんにくはマラソンにたとえれば
栽培して収穫して、やっと折り返し地点、それから先は乾燥、貯蔵
いかに発芽を抑えて、品質のいいものを長期に提供できるかがポイント
そしてゴールするのは翌年の5月、もうじき7月には収穫が始まる。